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室内の雨漏りは風災で保険給付金が受け取れます(風災編)

2018.06.26

雨漏りは建物で起きるトラブルの中でも最もナーバスになるものではないでしょうか。
表面的な天井や壁のシミや水滴が現れるということは、壁や天井内部の見えない部分の被害が甚大であることは言うまでもありません。

そんな誰もが嫌がる雨漏りですが、原因によっては火災保険の付帯である「風災・雪災・ひょう災」と認められ保険給付金で修理工事ができます。

付帯の存在やこれにより修理工事をした身近な例が少ないことから、知らない人が多いのが現状です。雨漏りのメカニズムと共にご紹介いたします。

屋根周りの破損は雨漏りに繋がります

雨漏りの原因の一つ、それが屋根周りの破損です。
屋根は家を雨や飛来物、雪、気温から守る役目です。

知らないうちにダメージを受けて、放っておいたら被害は甚大になっていたと言うことはよくある話です。
屋根は目線の高さでは確認できない為、状態をチェックしづらいことが原因です。
屋根のどの部位の破損から雨水が侵入するか解説します。

棟包みの板金の破損

"棟"とは三角形の屋根の頂点であり、家の中で一番高い部分のことです。
屋根を突き合わせる頂点を覆うようにかぶせる部材が"棟包み"。

建築において部材同士が接続する部分は隙間ができたり、材料が違うことがあるので様々なトラブルの原因となりやすい箇所です。
雨を防ぐ屋根同士の接続部分である棟包みは防雨の要である重要な部材と言えます。

棟包みは金属でできていることが大半です。
もちろん重要な部材なので丁寧に施工は進められますが、過度な自然災害による劣化とダメージで破損することがあります。

屋根の頂点の棟包みの破損部から少しづつ雨水が侵入し雨漏りに至ります。

平瓦・スレートの浮き、ずれ

スレートとは薄物屋根材と呼ばれる屋根葺きの部材です。
瓦よりも単価が安い分、耐久性や耐候性が劣りますが、手頃な価格から量産され、現在の住宅では瓦と二分するほどに使用されている一般的な材料です。

平瓦とスレート、どちらも屋根面を雨や飛来物、雪、気温から守る役目です。
ニュースなどで強風により瓦が吹き飛んでいるのを見ることがあります。
吹き飛ぶことはなくても浮いたり、ずれたりした箇所は屋根にとって弱点になります。

平瓦とスレートの下には防水の要としてアスファルトルーフィングと呼ばれる防水シートが敷かれていますので、単純に瓦やスレートが無くなったからといって、即座に雨漏りするわけではありません。

ただ、防水シートは外傷に強いわけではありません。
瓦やスレートが無くなり、そこに飛来物や自然災害などで穴が開いたらいよいよ雨水が建物内部に侵入してきます。

漆喰の崩れ

屋根における漆喰とは波瓦と棟瓦の隙間にあり、棟瓦を固定する為の漆喰を指します。
瓦は丈夫で4,50年メンテナンスフリーですが漆喰は10年ほどで崩れる場所もあります。

防水材料ではない為、直接雨水が侵入する訳ではありませんが、漆喰の崩れにより棟瓦の固定が弱まります。
それにより棟瓦から雨漏りに至るケースがあります。

雨樋の破損

雨樋は屋根に降った雨水を集めて、意図した所に排水する部材です。
雨樋は交換の容易さも重要なのでそれほど強固に作られておりません。

強風によって壊れてしまうと、その部分に雨水が集中します。
過度な雨水が建物の隙間に入り込み、雨漏りに至ります。

他の部材とは違って重要そうに見えないのが雨樋の怖いところです。
屋根の軒裏や、軒先の部材接合部は防水機能が劣ります。
雨樋の機能が弱まると雨水がそれらの箇所を守れなくなり雨水の侵入を許してしまうことがあります。

風災とは?

風災とは風による災害です。
台風、竜巻、暴風、強風、つむじ風などの強い風によります。

日本は気候上、季節風が吹き、一年を通して強い風による被害にさらされる可能性が高いです。
風災で定義している"強い風"には条件があります。

定義された強い風による建物被害の一部は風災と認定されるため、頭に入れておくと良いでしょう。

風災における強い風の定義

強い風の定義はずばり、最大瞬間風速20m/sと定義されています。
ピンと来ないこの数字、身近なもので例を上げていきましょう。

毎年夏になると起きる台風情報、実は台風を定義しているのは最大風速17m/s以上という数字です。
つまり台風より若干強めの風が風災上の!強い風!ですが、必ずしもそう言うわけでもないので下記で解説します。

強い風は珍しい?

微妙に異なる最大瞬間風速と最大風速、両者の違いは何でしょう。
風災の強い風の最大瞬間風速は3秒間の平均風速、台風を定義している最大風速とは10分間の平均風速を表します。

つまり最大風速の10分間の間、17m/sよりわずかに強い20m/sの風がたった3秒間あれば強い風と認定されます。
一年の内、数ある台風の中、強い風に該当するものは大半であることが想像頂けると思います。

"強い風"は数年に一度起きる強風ではなく、毎年起きる強風と言うことなのです。

経年劣化はNG

寒暖や太陽光に晒されるなど、その他経年劣化による被害は風災と認められません。
自然災害のうち、上で解説した強い風による被害が風災として認められます。

仮に強い風に起因しても、経年劣化と判断される証拠材料しかなければ保険給付金を受け取ることができません。
風災による被害であること、それを証明できるものがあること、この二つによって初めて風災と認められます。

風災によって保険給付金がおりるまでの流れ

風災によって保険給付金が降りる流れを理解することで、何が重要か分ります。
どのタイミングで誰が何を持って風災と判断しているかを解説します。

建築主が保険会社へ電話

風災を受けて建物に被害があることが発覚したら建築主ご自身が保険会社へお電話します。
保険会社は所定の質問項目に沿って、事情を聞いてきます。

この時点で雨漏りしています、と伝えると適用外ですと返信されますので、風災による雨漏りです、と伝えることが重要です。

工事業者へ見積もり依頼

工事業者へ修理箇所の見積もりを取ります。
この際、工事業者は見積もりを勘定する為、屋根に登ります。

該当箇所以外にも不具合があれば併せて見積もりを出してもらうよう伝えた方が良いです。

第三者機関が被害を検査

保険会社は建築主から電話があった箇所が風災に当たるかを判断するため、状況を調べる必要があります。
調べる者は建築主からも保険会社からも中立な立場であるものが行います。

通常、これは一般社団法人、日本損害保険協会の鑑定人資格を持った鑑定人が行います。
指定の日に鑑定会社のものが屋根に登ったり、室内を調べたりと、あらゆる痕跡や症状の写真を撮影します。

保険業者が検討

上記の建築主の証言、工事見積もり、第三者機関の証拠の内容をもってして最終的に検討し判断します。
風災と認められるかを判断された後、工事見積もりの妥当性も吟味されます。

保険会社の判断基準のマニュアル等はもちろんありますが、人間が行うため、個人の裁量によるところがどうしてもあります。

保険給付金額が決定後、振込

風災と認められたあと、指定の口座へ振り込まれます。

工事開始

上記により修理工事が行なわれます。

風災は雪災よりも保険給付金がおりにくい

雪による重みなどで被害を受けるものを雪災と呼びます。
雪災は重みで生じる特性上、痕跡がとても分りやすく写真による証拠の立証も容易です。

また災害が起きるほどの大雪は一年を通しても珍しい為、分りやすく保険給付金もおりやすいです。
それに対して風災はおりづらいです。

立証が難しい

風災による被害は雪災と比較して立証が難しいのが特徴です。
場合によって経年劣化や微妙な施工不良と取られがちな被害もあります。

被害と強い風との間の因果関係の立証が成立しないと風災として認定されません。

そのほかの風災

上記で解説した屋根周りの被害の他に、風災と認定され保険給付金を受け取れるケースがあります。
これを覚えておくと、いざという時に泣き寝入りせずに済みます。

アンテナの倒れ

アンテナは屋根に固定されておりますが、その形状から強風のあおりを受けやすいです。
強風を受けてポキっと折れてしまったり、吹き飛んで一部が無くなったりすると風災と認定される可能性があります。

強風による飛来物

強風により吹き飛んだ瓦などが建物の一部に衝突し、壊れた場合、風災と認定される可能性があります。
その場合、飛んできた飛来物も大切な証拠となります。

衝突した時の痕跡や飛来物の欠け具合なども証拠となるので捨ててしまうなんて言うことがないようにしましょう。

業者の選び方

修理工事の見積もりを建築主がとりますが、その業者選びは保険給付金を受けるにあたってとても重要です。

火災保険の風災で工事をしたことがある業者

火災保険の保険給付金での工事を専門としている屋根工事業者があります。
一年に何件も工事をしている為、経験が豊富で、風災に認定されるか否かの判断もつきやすいです。

見積もりが保険会社の判断材料になることも知っているので見積もり作成にもその経験を生かします。

また、見積もり作成の際の調査で被害部分以外も保険の観点から調査するので、他にも適用できる箇所を発見すると言うこともあり得ます。

通常の屋根修理業者は面倒な調査は嫌がります。
早く調査して見積もりして、早く工事を済ませたいので風災認定の為、全力を注ぐようなことはしないです。

対応が真摯な業者

通用の業者でも要望を真摯に受け止める施主ファーストな業者なら良いかもしれません。
経験がない為、多少手間はかかるかもしれませんがモチベーションも高い業者であれば、風災の制度も調査し、新たなことへの取り組みも意欲的です。

屋根工事のDIYは危険!

DIY工事は安上がりであることや手作りの暖かさから大人気です。
しかし、屋根工事では下記の2つの理由からやめたほうがベターです。

高所作業は危険

2階屋根に登っての作業は大変危険です。
高いところが得意で恐怖心がない方もいますが経験がないのと過信から足を滑らせて大事に至ることもなくはないです。

屋根業者は経験ももちろんですが、安全帯を屋根金具に取り付けるなど、いざという時のフォローも万全で作業します。
危険が伴うDIYはお勧めできません。

雨水侵入の要となる大事な部材

室内のタイルや家具、壁紙などのように構造や快適性に関係のないとことはDIYは向いています。

しかし屋根は建築において雨水の侵入の要となる場所です。
DIYで施工不良となった場合、建物に甚大な被害が及びます。
建物の命となるべく工事の類はプロに任せるのが一番です。

日頃のチェックが大事

人間の体と同じように日頃のチェックが大切です。
些細なほころびでも放っておくと大事に繋がることもなくはないです。

一生に一度の買い物である高価な建物、大切に付き合う日々の積み重ねが必要です。

強風のあとはチェック

強風が一年になんども起きる日本。
嵐の後の静けさには建物をチェックしましょう。

その時気づけば少しの修正で済むことや、風災の立証が容易なケースが多いです。
チェックは家周りも一周して屋根を見上げるような些細なものでも構いません。
日頃から気にすることが早期発見には大切です。

日頃のチェックで建物を長寿命化

トラブルも未然に防ぐことで、大きな被害の可能性をつぶせます。
日頃のチェックが建物を結果的に長寿命化させます。

昔は地域や知り合いに建物に精通していて何かあったら教えてくれるような人がいたかもしれませんが、現代は分業が進み、そのような文化は減ってきたように感じます。
自分でチェックすることで建物のトラブルに敏感になりましょう。

まとめ

風災と雨漏りの関係、いかがでしたでしょうか。
知っているか知らないかだけで数十万円得してしまうこともあります。

火災保険の付帯サービスなのでもちろん合法です。
知らない方は自分が毎月支払いしているサービスの一部の恩恵しか受けていない状態です。

屋根は家にとってとても大切な部分です。
屋根を労ると家で長く暮らせ、良いことばかりです。
ぜひ屋根のことを気にして見るようにしてみましょう。

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