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棟瓦の工法とは?ガイドライン工法と旧工法の違い

2019.11.21

日本家屋らしいその風貌で古くから親しまれてきた瓦造りの屋根。
しかし同じ瓦屋根でも20年以上前と現在の工法では大きな違いがあることをご存知でしょうか?

これまでの工法(旧工法)では大きな地震に耐えきれず、瓦が崩れてしまう被害が多く出ていたことから建築方法が見直され、現在では「ガイドライン工法」という方法が主流となっています。

しかしこの違いを知らない人も多く、昔の工法のまま瓦の葺き替え工事や修繕作業を依頼する人もいるようです。
せっかく費用を払うのならできるだけ耐震性や耐風性の高い屋根に変えたいものですよね。

そこでこの記事では、ガイドライン工法と旧工法の違いから注意点に至るまでをまとめました。
ぜひ参考にしてください!

ガイドライン工法とは?

ガイドライン工法とは2001(平成13年) 8 月 13 日に発行された屋根の工法で業界の基準として設けられ、現在ではこの工法に基づいた施工が推奨されています。

このガイドライン工法が発行された背景には、1995年の阪神・淡路大震災で戸建て住居が甚大な被害を受けたことがあげられます。

この震災以降、建築基準法が見直され2000年の改正では屋根葺き材の性能規定が設けられました。
そこで業界主導で設定されたものが「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」です。

通称「ガイドライン工法」と呼ばれるこの工法は、国の監修で耐震・耐風性能を評価するための試験方法が研究され、実験データをもとに作成されています。
つまり、これまでの旧工法とくらべて耐震・耐風性能が格段に進歩しているものだといえます。

棟瓦の旧工法とガイドライン工法の違い

耐震・耐風に強いとされるガイドライン工法とこれまでの工法(旧工法)の違いをかんたんに説明すると、屋根の部材に棟瓦が固定されているか固定されていないかという部分が大きく違い、その仕様も細かく設定されています。

もちろん旧工法でも耐風性を高めるために固定はされていましたが、その部分は下記の図のように棟瓦・のし瓦・葺き土を銅線でまとめる「大回し(おおまわし)工法」が一般的でした。

銅線でまとめてあるものの、屋根の構造部分には固定されていません。
したがって一定の耐風性があったとしても、近年多い猛烈な台風では崩れる危険性が高いのです。
さらに地震による崩壊によって工法の見直しがされることになりました。
では、新たなガイドライン工法にはどのようなものがあるのでしょうか?具体的な工法を見ていきましょう。

鉄筋仕様による工法

出典:https://kamisei.co.jp/news/21983

まず鉄筋を屋根材に固定する工法です。
縦に取り付けた鉄筋に対して横にも鉄筋を通し、その鉄筋に瓦を固定していきます。
これにより、鉄筋と瓦、屋根が一体となり耐震・耐風性能が上がるのです。

棟補強金具仕様による工法

出典:https://kamisei.co.jp/news/21983

つぎに屋根に棟の補強金物を設置し、棟瓦を取り付けていく工法です。
こちらの工法でも同様に屋根と棟瓦、補強金物が一体となることで耐風性・耐震性がアップさせることができます。

ガイドライン工法は地震に強い

ガイドライン工法をすることで瓦の耐震性能も上がると述べましたが、震度7までは崩れることなく耐えることができるようです。
2004年に独立行政法人防災科学技術研究所にて実施された実験では、阪神淡路大震災と同等の震度7クラスを再現した地震でもガイドライン工法による屋根瓦が崩れないことが確認されました。

さらに東日本大震災においても損傷なく無事であったことが公表されており、実験データの評価を裏付けています。
また今後発生が予想される東海地震でも耐えることができるとみられています。

注意!ガイドライン工法は建築基準法で定められていない

ここまでガイドライン工法のメリットを中心に解説してきましたが、注意すべき点がひとつだけあります。
それは、ガイドライン工法が「建築基準法で定められていない」ということです。

これはどういうことかというと、ガイドライン工法はあくまでも全瓦連や国土交通省の「推奨」であって、義務ではないため守らなくても良いということです。
現在の新築物件や葺き替えでは、ほとんどがこのガイドライン工法で施工をしているのが現状ですが、旧工法のほうが費用も安く済むため、中には格安を謳い旧工法で施工している業者もあるようです。

また発注側が相場や工法を知らず、とにかく費用を抑えたいという要望のみを業者に伝え、その要望に応えるために旧工法で施工するといったケースも多くあります。

旧工法とはどんな工法?

冒頭でもかんたんに触れましたが、旧工法とは「屋根に固定しない工法」で、20年以上前の建築ではごく一般的なものでした。そのため、現在の家屋でも旧工法のままという家は多くあります。
もしリフォームや改修を検討しているのであれば、是非ここであげる旧工法の特徴を把握し、自宅の瓦を確認してみてください。

旧工法には3つの工法がある

旧工法には、

  • 大回し工法
  • 千鳥緊結(ちどりきんけつ)
  • 碇緊結(いかりきんけつ)

という3通りがあります。ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

大回し工法(おおまわしこうほう)

出典:https://kamisei.co.jp/news/24085

大回し工法と同様に棟瓦と葺き土、のし瓦を緊結線でまとめていく工法ですが、上記の工法が縦1本だったのに対して千鳥緊結はX線でまとめられているのが特徴です。

碇緊結(いかりきんけつ)

出典:https://kamisei.co.jp/news/24100

棟瓦から下におろした銅線に瓦の破片を括りつけ、葺き土に埋め込むことで留め具にする緊結方法です。
船の碇をおろすような形から碇緊結やアンカー止めなどと呼ばれています。

旧工法は地震に弱い

旧工法では建物に棟瓦が固定されていないため、大きな地震が発生すると瓦が崩壊するリスクが高くなることは言うまでもありません。

上記の旧工法は一定の強風には重みで耐えることができますが、猛烈な台風や大規模な地震では倒壊する被害が出ています。
とくに地震で被害が出やすいのが棟瓦です。
多少のずれであれば漆喰で修繕することも可能ですが、瓦が大きくずれ崩れてしまうような大規模の場合には葺き替えが必要となります。

瓦の葺き替え工事は「ガイドライン工法」を指定しよう!

現在の瓦工事ではガイドライン工法で施工されることがほとんど。
しかしながら築20年以上の建物の多くが旧工法の瓦葺き屋根のまま残っているのも現状です。

安くしたい代わりに旧工法になっている可能性があり、ガイドライン工法で見積りを取り、交渉をすることが大事。
ガイドライン工法は義務でも建築法で定められたものでもない。
ガイドライン工法は瓦の全国組織である全瓦連と国土交通省が推奨しているだけです。

またガイドライン工法は建築基準法で義務化されているわけではないため、業者に何も言わず依頼すると旧工法で施工されてしまうことがあります。
費用面だけでなく安全面も含めた工事となるよう、見積り段階からガイドライン工法での施工を指定したうえで比較検討するようにしましょう。

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